総合社会科学分科:国境を越え、学問の境界を超える

東京大学教養学部後期課程に教養学科が2011年より発足した。教養学科の文系3分科の一つが総合社会科学分科で、毎年30数名の学生が進学している。

総合社会科学分科は相関社会科学コース国際関係論コースのふたつの特色あるコースから成り、現代社会が直面する諸問題に社会科学の諸分野を横断的に踏まえて研究することを目指している。そのためには、諸問題を考察する「眼」を養い、解明する理論と分析道具を身につけることが必要だ。当分科が求める学生は、既成の狭い専門に満足せず、広く柔軟に社会科学を学び、世界に開かれた現代社会に興味を持ち、その未知の可能性を探求する人である。卒業生の進路は、大学院進学から官公庁、国際的な機関や企業への就職まで各方面にわたっており、それぞれが個性豊かに現実の社会に立ち向かっている。

国際関係論コース:国際社会を多面的・学際的に分析する

国際関係論の考察対象は、国境を越える価値配分や価値実現の過程・政策・制度などである。我々の眼前に展開する現実は、国際政治、国際法、国際経済などといった個別分野に還元して分析することのできない複合的な性格を持つ。その理解には、既存の学問の棲み分けに安住できない意欲的な知性こそが必要だろう。国際関係論コースが目指すのは、国際政治・法・経済などを基礎とした学際的な教育を通じて、国際社会の現在を多面的に解析する知性の育成である。

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相関社会科学コース:グローバル化時代のリベラル・アーツを目指す

相関社会科学コースは、社会科学の基礎的領域である政治、経済、法、社会、文化などについての学問的知識を分野横断的に学びながら、現在の社会現象や社会問題を総合的に解明することを目的としている。それは「グローパル化時代のリベラル・アーツ」として、変貌する時代の最先端を切り開く試みであると言えよう。相関社会科学コースでは、現代社会の変容に由来する先端的な諸問題や諸争点、新しいテーマ群を、既存の縦割りのデイシプリンの制約にとらわれることなく、問題指向のアプローチ(issue-oriented approach)によって、思う存分研究することができる。

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